チタン系材料

チタンは比強度(引張強さ/密度)が最も高い金属で、耐食性も抜群にすばらしいことから、耐食安全性が不可欠な航空機、化学工業、海水淡水化機器、食品工業などの重要保安部品に多く利用されています。このチタンの優れた耐食性は、チタン表面に形成されている極薄の不動態化皮膜(TiO2)から生じています。最近では生体無毒ということから医療関係でも利用が拡大しています。

種類 特性値 用途
JIS チタン 1種 〔化学組成〕   
チタン (Ti)  99.5 %   
酸素 (O)  0.15 %以下

〔機械的性質〕
引張り強さ 245 MPa以上 (24.5kgf/mm2)
・各種陽極材料
JIS チタン 2種 〔化学組成〕   
チタン (Ti)  99.2 %   
酸素 (O)  0.20 %以下

〔機械的性質〕
引張り強さ 350 MPa以上 (35 kgf/mm2)
・塩化物、硝酸、有機酸を扱う各種化学機器装置用
JIS チタン 3種 〔化学組成〕   
チタン (Ti)  99.1 %}
酸素 (O)  0.3 %以下

〔機械的性質〕
引張り強さ 455 MPa以上 (45.5kgf/mm2)
・化学プロセス装置用
Ti-6Al-4V 〔化学組成〕   
アルミ (Al)  6 %   
バナジウム (V) 4 %

〔機械的性質〕
引張り強さ 91 MPa以上 (9.1kgf/mm2)
・航空機用合金、ポンプインペラ、スチームタービンブレードなど高耐食・高強度を要する部品

採用事例

チタン系材料

チタン合金製自動車部品
(チタンの加工技術・日本チタン協会編より)