鋼中のクロム含有量が12%以上になりますと耐食性は急激に向上します。このことから、クロム含有量が12%以上の鉄‐クロム合金をステンレス(Stainless:さびにくい)と呼んでいます。このステンレスの耐食性は、最表面に形成される極薄の酸化クロム皮膜(不動態化皮膜)に由来しています。めっきの密着性の観点からは、この不動態化皮膜をいかに除去するかがポイントです。
分類 | 主成分 | 金属組織 (結晶構造) |
磁性 | 用途 |
---|---|---|---|---|
Cr系 ステンレス鋼 | 13%Cr (SUS410系) | マルテンサイト (体心立方構造) | 強磁性 | あらゆる産業 |
14%Cr (SUS430系) | フェライト (体心立方構造) | 強磁性 | ||
Cr-Ni系 ステンレス鋼 | 25%Cr (SUS329系) | オーステナイト・フェライト | 磁性 | |
18%Cr-8%Ni (SUS304系) | オーステナイト (面心立方構造) | 非磁性 |
・その他:オーステナイト・フェライト系(SUS 329系):塩素に強い。
析出硬化系(SUS 630系):高強度
・注意点:非磁性ステンレス鋼も、強い冷間加工を受けると表層のみ磁性化する。